三戸町中心部近くの小さな2階がある建物で、100年以上にわたって南部せんべいを作り続けている小山田せんべい店。 1917年にお店をオープンし、当時は1つずつ鋳鉄製の型で手焼きの南部せんべいを作っていました。1936年にお店は手動の焼き機を設置し、それ以来ずっと焼きたての南部せんべいを提供し続けています。 南部せんべいは、青森県南部地方で数百年の歴史があるせんべいの種類です。
小山田せんべい店では、小麦粉、塩、重曹と水だけの簡単な材料で作られています。スタッフはその生地を切り、熱い鋳鉄の型に入れたあと、手動でグリルを回転させせんべいを焼いていきます。そして焼き上がったせんべいを冷まし、完全な円に成型して包装します。切り取った残りの部分は「ミミ」と呼ばれ、こちらも無駄にならないよう、集めて販売しています。この商品のファンも多く、ミミ目当でお店に来る人も多くいます。
小山田店ではピーナッツから野生のゴマまで、様々な種類のトッピングで1日に7,500枚以上のせんべいを作っています。3代目の小山田さんは、毎日家族を含めた従業員と協力して、三戸町をはじめ全国各地にパリパリの美味しいせんべいを提供し続けています。
小山田せんべいは地域のスーパーで購入できますが、せんべい作りの工程を間近で見ることができ、さらに焼きたての「テンポせんべい」も注文することができるため、お店へ直接買いに行くことをおすすめします。
「テンポせんべい」は普通のせんべいと異なり、柔らかく、まるでお餅のようなもちもち食感です。水分が多く、味がすぐ変わってしまうため、スーパー等での包装販売がされておらず、直接せんべい店での購入に限り食べられるものです。小山田せんべい店のテンポせんべいが普通のせんべいと違う点は、お客さんが色々な厚さで注文できることです。紙のような薄さからパンケーキのような厚さまで好みで選ぶことができ、この地域では有名な食べ物となっています。
小山田せんべい店の南部せんべいは、はちのへエリアのコナモン文化と歴史を伝える代表的な食べ物の1つです。