旬の今しか味わえない
豊かな三陸の海が育んだ極上ウニとは
鮮明なオレンジ色よりも少し淡くて優しい色をした三陸のウニ。一口頬張れば、濃厚な甘みと口いっぱいに広がる磯の香り。とろけるような口当たりの三陸のウニは苦みやクセがなく、ウニが苦手な人でもイメージが変わるほどの美味しさです。
そんな三陸のウニの旬は、6月から7月にかけての2ヶ月間。この時期のウニは産卵する直前で、栄養を蓄えて大きくなっています。まさに、美味しいウニが”極上のウニ”に変わる時期です。
旬の今しか味わうことができない、とれたての極上ウニをお楽しみください。
三陸ウニの美味しさの秘密
三陸沿岸は、酸素量の多い親潮に、海岸近くまで迫る山地から流れる森の栄養を含んだ水が混ざり合うことで栄養豊富な海域となる、自然環境に恵まれた世界的にも希少な漁場です。
三陸の豊かな環境で育った海藻は、旨みの強い味わいが特徴。この海藻をエサとする三陸のウニも、濃厚な味わいになるのです。
極上の味を届ける熟練のワザに密着
”極上のウニ”を最も美味しい状態でお客様に届けたい!
そんな思いで30年以上も三陸のウニを捌き続け、極上の味をお客様に届け続けてきた会社が、青森と岩手の県境にあります。
今回、有限会社マルタマ横道商店の2代目になる横道広一社長にお話をお伺いしました。
─ 三陸のウニは、他のものと比べてどんなところが違いますか?
甘み。そして、クセが無いところでしょうか。苦さやエグみが無いです。他の地域のウニも取り扱いますが、この点が大きく違うと思います。
─ どのような作業をしていますか?
仕入れから出荷まで、全て行っています。
ひとつひとつ殻を割って中身を取り出し、エサとなる海藻などを取って洗います。殺菌後、瓶などに詰めて出荷します。
─ 仕入れてからどれくらいの期間で出荷しますか?
前日に仕入れたものを翌日に出荷することもありますが、基本的には、朝仕入れたものをその日の夕方に出荷しています。
─ ! とても早いですね。作業するにあたって、こだわりはありますか?
温度管理を徹底しています。冷たい水温のなかで作業をしてあげた方が、ウニにとっては良いんです。水温や室温など、ウニの鮮度が落ちない温度に設定しています。
─ 作業のスピード、徹底した温度管理、そして手作業…美味しさの秘訣が分かった気がします。
─ 30年以上にわたって営業されてきたとのことですが、東日本大震災の影響は大きかったですか?
震災発生時は作業をしていましたが、揺れが長くて大きかったため、すぐに避難をしました。
おかげで、全ての従業員が、ケガをすることなく避難することができました。
しかし、建物は被災し、冷凍庫や冷蔵庫は全て壊れてしまいました。
その後、2016年にこの場所に移動し、今では100%もとに戻っています。
─ 横道社長がおススメする三陸のウニの食べ方は?
やはり、温かいご飯に乗せて食べるのが一番ですね。ワサビ醤油を少しかけて、グッと。
焼きウニも美味しいですよ。オーブンなどで焼いてから食べると、味や旨みがギュッと濃縮され、さらに濃厚な味わいになります。
─ この仕事を続けてきて嬉しかったことは?
お客様から、「このウニが好き」「美味しい」という声をいただいたときですね。
─ 横道社長にとって”ウニ”とは?
ウニを軸に全てのスケジュールが決まっていきますから、私にとってのウニは、生活の中心にあるものです。
─ 最後に三陸のウニのファンにひと言お願いします。
三陸のウニは6月から7月にかけて旬を迎えます。最も美味しい三陸のウニを味わってください!
三陸で親しまれている贅沢なウニ料理
三陸のウニの魅力は、生ウニだけではありません。その調理方法にも独特の魅力があります。
横道社長もおススメの焼きウニは、蒸しウニよりしっとりとした食感で濃厚な甘みを楽しむことができます。
また、地域を代表する郷土料理”いちご煮”は、ウニとアワビを潮汁に仕立てたお吸い物で、素材本来の味を楽しむシンプルで贅沢な逸品です。
旬の夏以外でも楽しむ工夫として、蒸したウニを卵とじにしてご飯に乗せた”ウニ丼”などもあります。
ウニの漁場として恵まれた三陸地域ならではのウニ料理、是非一度ご賞味ください。