650種を超える植物が自生すると言われ、季節によって多彩な花々が競うように咲く「花の渚」種差海岸。この複雑な植生は、冬の地面の凍結や冷夏をもたらす海風の「ヤマセ」、岩場・砂浜・湿地・草原といった地形、古くからの馬の放牧などによって育まれ、種差海岸を愛する地元の人々の地道な保全活動によって守られてきました。
市街地からそう遠くない「花の渚」で、花を愛でながら海辺をゆっくりと散策してみませんか。
ミチノクフクジュソウ

種差に春の訪れを告げる花。準絶滅危惧種に指定されている。
エゾノシシウド

北方の海岸に生息し、背の高さが特徴。種差海岸を南限とする植物。
ハマナス

名前は「浜の梨」から。八戸地方では、実を盆の供物として使うことも。
ハマヒルガオ

海岸の砂地に花を咲かせる海浜植物。全国的に分布している。
ニッコウキスゲ

山地や海岸などの湿った草地に群生する一日花。「ゼンテイカ」とも。
ノハナショウブ

水辺や湿った草地に生息。古典園芸品種である「ハナショウブ」の原種。
スカシユリ

花びらの間の隙間から「透かし百合」と呼ばれ、種差では岩場で目にする。
ハチノヘトウヒレン

北上高地の特産種「ナンブトウヒレン」から独立した種差海岸の固有種。
ハマギク

日本のキク科植物では珍しい低木性。種差海岸が自生の北限。