漁港で採れる魚介だけでなく、野菜や和牛など、とにかく旨い食材が豊富に仕入れられるのが八戸の魅力。美味しいワインとともに、美食の数々に舌鼓を打てるお店をご紹介します。
1.エスプリの利いたビストロで、地元の恵みを享受。
『bistro étoffe』
「美保野牛の赤ワイン煮(2,300円)」
八戸の中心街で息づく横丁文化。縦横無尽に張り巡らされた、個性豊かで趣のある8つの横丁は、地元住民や観光客の憩いの場でもあります。中でも、鷹匠小路は比較的人通りの多い賑やかな歓楽街として知られ、かつてこの場所に牢屋があったため、「ロー丁」とも呼ばれています。
渋い看板や店構えのスナック、小料理屋、居酒屋などが軒を連ねるこの通りに、突如現れる小さなビストロ。オーナーシェフの井上健吾さんは、フランスを放浪していた20代半ば頃、食べ継がれる郷土料理や、地元で愛される小さなレストランに魅了されたと言います。
「特別な日に食べるものというイメージが強いフランス料理を、もっと気軽に日常的に味わってほしい」との想いから、現地の食堂のような親しみやすい雰囲気のお店を心がけています。
メインにスープ、サラダ、パン、コーヒーが付く「本日のランチ」より一例。「桜姫鶏のソテー フレッシュトマトのソース(1,300円)」は、ソースに田子町産の香り高いニンニクを加えアクセントに。
店主の気さくな人柄を慕って、多くの常連客が通い詰めます
伝統的なフレンチの繊細さと、ビストロならではのシンプルな力強さ。その両方を併せ持つシェフの料理には、地元食材がふんだんに盛り込まれています。例えば、王道の赤ワイン煮には、八戸市南郷地区で丹念に育てられた黒毛和牛「美保野牛」のすね肉を使用。上質な脂の甘み・旨味を丁寧に引き出しながら、3日間かけて調理した逸品です。最後の一滴まで旨いのは、言うまでもありません。
また、料理に欠かせない旬の野菜は、隣接する階上町に住む父・欽司さんが丹精込めて育てたもの。その味の濃さは、主役級の存在感を醸し出しています。
繁華街に佇む小ぢんまりとした“大人の食堂”。その飾らない空気感は、実に心地よいものです。
「ジャガイモのグラタン(600円)」は、ジャガイモのトロトロな食感とクリーミーな味わいがGOOD。奥はアミューズとして提供される「焼きとうもろこしのムース」と「ホタテと大葉のフリット」。
「八戸産焼きサバのサラダ仕立て(1,600円)」
ワインは自然派ワインを含め常時10種類程度(グラス750円~)