「八戸本」編集部が選ぶ!
個性あふれるディープなバー3選

東北屈指のバータウンと呼ばれる、八戸市。バーの花形であるカクテルをはじめ、日本酒や美味しい肴が揃っています。バー特有の堅苦しさがなく、訪れた人たちを心ゆくまで楽しませてくれるお店をご紹介します。

1.『ark LOUNGE&BAR』のアートのような美しい一杯で、感動を体験しよう

酒造の現場視察で、約20カ国を訪れた久保さん。いまでは八戸のバーシーンを牽引する名バーテンダーです。お店は2010年にオープンし、東北・北海道で唯一「Asia’s 50 Best Bars」にも選出されました。

「誰も体験したことのないカクテルを作りたい。それが昔からの自分の核になっている」と語る、店主の久保俊之さん。元料理人というキャリアを生かし、10年以上前から料理の食材や手法をカクテルに取り入れています。また、液体窒素を使って舌触りを変えるなど、当時はまだ日本で珍しかった “ミクソロジー”と呼ばれるスタイルもいち早く導入し、その革新性は数々のコンペで優勝を果たす実力者です。

左)世界に躍進するジョニーウォーカーを表現したカクテル「グロリアス・ウォーカー」など、見た目も美しい極上の一杯が味わえる。右)世界大会で1位を獲得した「ココ グラッセ」は、マスカルポーネチーズを使用(どちらも1,200円)

独創的な演出方法も特徴のひとつ。例えば「アルティザンパンチ」は、名産のリンゴと抹茶、ショウガなどで郷土を表現し、枡の中に仕込んだエッセンスで青森県産のヒバが香る仕掛けを施しています。カクテルを口に含むと、花から別の香りが抜けて一体化します。

上)お店の入り口は本棚のような扉になっており、扉の横の電話で開けてもらうスタイル。チャージは1,000円。下)蒸留所のみで販売している限定酒もあり、バー好きにはたまらない品揃え

 

味わうだけではなく、“体験する”ことも楽しめるこちらのバー。訪れれば、味の想像もつかない一杯や未知の体験ができるはず! ここでカクテルの本当の味わい方を楽しみましょう。

取材先情報:アーク ラウンジアンドバー
■住所:八戸市六日町8
■電話番号:0178-24-5310
■営業時間:19:00〜翌2:00
■休み:なし
■Instagram:akloungebar

2.長横町れんさ街のベテラン『洋酒喫茶プリンス』で、八戸を表現したカクテルを

天井に名刺が貼られるようになったのは約10年前から。以降「天井に名刺を貼れば出世する」という噂が広まり、県内外からお客が訪れるようになったそう。八戸本編集部も貼ってきたので、ぜひ探してみてください……!

 

店の扉を開くと天井を埋め尽くす名刺の数々。年季の入ったイルミネーション付きのバーカウンターには、派手なシャツのマスターが佇んでいます。1975年創業のこちらのお店を営むのは、二代目の佐々木良藏さん。佐々木さんの人柄や店の個性が満載なのはもちろん、オリジナルカクテルのユニークさも人気の理由です。

マスターの佐々木さんは元自衛官という異色の経歴! お客の要望に柔軟に対応してくれる。カクテルは新作も多く、お客に試飲してもらい意見を聞きながら調整しているそう

カクテルは「種差」、「蕪島」、「縄文」など八戸の自然や文化、歴史をイメージしたものから、「ヴァンラーレ」、「八戸ダイム」といった地元スポーツチーム名を名付けたもの、さらにはカシオペアクルーズでシェイカーを振ったこともある縁から、「スーパーこまち」や「隼」と鉄道に関するものまで、約20種類が用意されています。

上)青い液体を海、ウズラの黄身を朝日に見立てた「みちのく潮風トレイル」は味はもちろん写真映えも◎。下)八戸三社大祭の山車から着想を得た「神社・エール」。左から「波山車」、「建物山車」、「岩山車」、「高欄山車」をイメージしたカラフルで味わい深い一杯

ノーチャージで全品1杯500円という、驚きのリーズナブルさも通いやすいポイントです。ライナップを見ただけで佐々木さんの八戸愛が伝わるカクテルを、ぜひ味わってください。

取材先情報:洋酒喫茶プリンス
■住所:八戸市長横町18
■電話番号:0178-44-1827
■営業時間:17:00〜24:00
■休み:12/31・1/1

3.お酒の味わいを豊かに広げる肴。
『OLD SHOES』の名作つまみに心が踊る!

味や香りだけでなく、その酒のバッググラウンドまで、会話の中でさり気なく話してくれる上小路さん。柔和な人柄で自身の好みを押し付けず、酒談義にも気軽に応じてくれる。2006年にオープンし、元スナックをノスタルジックな昭和の雰囲気に改装した店内は、80年代の歌謡曲をメインに、お客さんの好みに合わせてセレクトしているとか

「チャージは1,500円で、お通しを何品食べても同じ値段です」とマスターの上小路宏幸さん。趣味で始めた料理はすべて独学だと言いますが、酒好きの心を掴むような味とセンスの良さに圧倒されます。例えば冷奴には、魚介系の乾物を数種類使った自家製のラー油といぶりがっこを、大豆の味が濃厚な岩手県産の豆腐にのせるなど、手の込んだつまみがラインナップされています。

オーク樽の香りと野性的な味わいのテキーラ「パトロン レポサド(300ml 1,000円)」や、甘みや酸味、辛味や渋味のバランスが良く、豊潤な味わいの「悦凱陣 オオセト 純米酒 無ろ過生原酒(108ml 800円)」などを用意している

酒の種類も幅広く、アガベテキーラや国産のウイスキーのレアボトル。日本酒は、マスター好みの西日本側の季節酒を中心に揃え、好みや気分を伝えれば、ピタリとハマる一杯を提供してくれます。日本酒好きのマスターによる、蒸留所や蔵元の逸話も、聞けばお酒がすすむこと間違いなし!

「左)手前から煮切りの酒とイカ肝で漬けた自家製の「イカの醤油辛」。「明太仕立てのエビの塩辛」。黄身の濃厚さで淡白な味が引き立つ「ヒラメのヅケ」。右)手前からラグーの濃厚で深いコクが食感の良いリガトーニにしみた「ショートパスタのミートソース」。洋酒にぴったりな「食べるラー油のせ冷奴」。具だくさんの「ほうれん草とベーコンのキッシュ」

洋食から和風まで、ハイクオリティのつまみの数々にお酒がとまらなくなります。お腹がいっぱいでも、次はどんな料理が出てくるのかと思わず期待してしまうはず。訪れたら誰かに共有したい気持ちになる、魅力あふれる良店です。

取材先情報:オールドシューズ
■住所:八戸市鷹匠小路4-7
■電話番号:0178-47-6499
■営業時間:20:00〜翌4:00
■休み:日曜


| Written by 八戸本編集部

『八戸本』を制作した出版社「EDITORS」は、2021年2月に民事再生の申立てを行った「エイ出版社」から「街ラブ本シリーズ」『世田谷ライフ』『湘南スタイル』『ハワイスタイル』など、エリアに特化した出版事業を譲受した後継会社です。八戸市出身の編集者を中心に制作を進めた『八戸本』は、「街ラブ本シリーズ」の最新作として2022年12月に発行されて話題となり、たちまち重版。観光目的だけでなく、八戸に暮らす人、八戸で働く人、八戸を故郷に持つ人、八戸を愛するすべての人に向けた本です。この街の魅力を、ぜひこの一冊を通して再発見してください。『八戸本』は、八戸市内の主要書店で大絶賛発売中です。

HP:https://editorsinc.jp/ Instagram:@hachinohe_bon_editors

「街ラブ本シリーズ」の88冊目で、東北では『盛岡本』・『福島本』に続いての3冊目となる『八戸本』は、「街ラブ本シリーズ」の最新作として2022年12月に発行。食材の宝庫である八戸ならではのグルメ、青森県内の国宝がすべて八戸に集結している謎、地元愛にあふれた八戸のキーパーソンたちの紹介など、八戸市の魅力がぎっしり詰まった一冊です。

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