Walk × 文化
商売繁盛・漁業安全
地元に愛される蕪嶋神社の歴史を学ぶ

「三陸復興国立公園」を五感で感じる歩く旅

「みちのく潮風トレイル」の起点/終点である「蕪島」にある「蕪嶋神社」は、商売繁盛・漁業安全の守り神として弁財天をまつり、古くから地元の人々の信仰を集めてきました。

創建は鎌倉時代。源頼朝に仕えた武将工藤祐経の子の犬房丸が、流罪となり現八戸市鮫町へ。その時に鎌倉の都にある江ノ島と蕪島が似ていたので懐かしみ、それにちなんで市杵島姫命(いちきしまひめのみこと・弁財天)を祀り祟めたと伝わります。

蕪島はウミネコの繁殖地としても知られ、毎年3月から8月頃まで、約3万から4万羽の子育てを行うウミネコを見ることができます。漁場を教えてくれる蕪嶋神社の弁財天の使いとして、古くから大切にされてきたウミネコ。もし、ウミネコに「ウン」をつけられたら、蕪嶋神社の社務所へ行ってみてください。「会運証明書」を貰うことができます。

2015年、火災により社殿が全焼しますが、全国各地から寄付金が集まり、約5年の歳月を経て再建。2020年3月26日の例大祭に合わせ、一般参拝ができるようになりました。

八戸の洋酒喫茶 プリンスには、売り上げの一部が神社の再建に寄付されたオリジナルカクテル「蕪島」があります。現在も飲むことができ、このほかにも「みちのく潮風トレイル」「種差海岸」「白浜」など、三陸復興国立公園に関するカクテルを楽しむことができます。

神社の床下や化粧垂木には湿気に強い青森ヒバ、小屋裏の梁材には南部赤松、玉垣と手水舎には、青森県産の栗の木など、再建には多くの青森県材が使用されました。拝殿は入母屋造り、屋根の唐破風は「うみねこの親子が羽ばたいている」様子がイメージされています。
吹き抜け天井彫刻の天女像「飛天の奏」は、五体の天女が、笙(しょう)・竜笛・太鼓・琵琶で雅楽を奏で、中央の天女が蕪の花を持ち、ウミネコが飛び立ち神様の願い事を叶えて社殿から飛び立つイメージで製作されました。

蕪島の「蕪(かぶ)」と「株」が同じ読みであることから、株価と人望の「かぶ」が上がるご利益があるといわれる「かぶあがりひょうたん御守」も人気です。

天女像「飛天の奏」
「かぶあがりひょうたん御守」

神社周辺には蕪島の歴史・ウミネコ・みちのく潮風トレイルに関する展示、ウミネコの営巣を間近で観察することができる蕪島休憩所や、ご当地のお土産販売・地元食材を使った軽食を提供している物産販売施設「かぶーにゃ」などに足を運んでみてはいかがでしょうか。

蕪島休憩所
蕪島物産販売施設「かぶーにゃ」
蕪島の眺望をゆっくりと楽しんでいただくことができます。もちろん、海沿いを散歩するのもおすすめ。葦毛崎展望台までは徒歩約35分、道中の海には、1億3千万年前の海底火山活動で冷え固まった「枕状溶岩」や「イタコマイマイ岩」など、独特の景色を見ることができます。
枕状溶岩
イタコマイマイ岩

みちのく潮風トレイルを歩いたら、蕪嶋神社の「トレッキングご祈祷プラン」に参加するのもおすすめです。

 

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