メインのロケ地は八戸市!
小林亮太さん「1st 写真集 温度」

八戸の魅力は『人の温かさと食』
俳優 小林亮太さんにインタビュー

人気漫画原作の舞台や映画、ドラマなどで活躍中の小林亮太さん。5月30日に発売された1st写真集「温度」は、なんと八戸市を中心に青森県内で2月に撮影されました。

そこでVISITはちのへでは、小林さんにインタビューし、撮影を振り返ってもらいながら写真集への思いや八戸に対して感じたことなどを語ってもらいました。

小林亮太さん『1st 写真集 温度』インタビュー

八戸へ訪れるのは小学生以来!

写真集のお話をいただいたのが去年の10月ぐらいでした。でも、どこで写真集を撮ろうかというのがなかなか決まらなくて…。せっかくなら今行く意味のある場所がいいけれど、『ここで撮りたい!』という場所がなかなか浮かばなかったんです。

そんな時にふと、子供の頃に八戸市にいる曽祖母のところに行って遊んでもらったりしたなぁと思い出したんです。別に青森に行ったからといって会えるわけじゃないけれど、だからこそ観光や旅行ではなく写真集の撮影で訪れるのがいいんじゃないかなと思いました。

それと今回、自分でも写真を撮りたいなと思ったんです。というのも、以前八戸を訪れたのは小学校の2、3年生の頃。「写ルンです」で遊んでいたのですが、おもちゃのカメラだと思っていたので、本当に写真が撮れているとは知らなくて。現像していないので、思い出の写真が一枚もないんです。今、趣味で自分のカメラを持ち歩いているので、改めて八戸での思い出を残せたらいいなという気持ちもありました。写真集では僕が撮った写真も使ってもらっていますし、ファインダーをのぞいている僕の姿もあります。両方を使ってもらえたのがうれしいし、気に入っている写真のひとつなので、ぜひチェックしていただきたいです。

印象に残っている種差海岸での撮影

表紙にも使われている赤い衣装での撮影は種差海岸で行いました。その日は宿泊した「白山閣」や朝銭湯を体験した「長根公園浴場 森のかおり」での撮影に始まり、「八戸市魚菜小売市場」や「館鼻漁港」などをめぐって。今見るとまだ肩に力が入っているなと思う写真もありますが、それでも自然体に近い自分を撮ってもらっていました。でも、そこから続いた種差海岸での撮影は、「ここでいいものを出さなきゃいけない」という緊張感のある勝負の場だったと思います。

お芝居をするのであれば、目の前に相対する人がいたり、その場で感じたりするものがあるけれど、カメラの前で海や雪原に囲まれて、どう自分をさらけ出すのか。そんな、自分自身と向き合う瞬間でした。そこで自分の体温が高まる感覚のようなものがあり、撮り終わった後にはすごく達成感があったし、撮影中にチームが一つになった気がしたんです。

ゾーン的なことだと思うんですが、撮影中に僕は本当に寒さを感じていなくて。カメラマンの横山マサトさんもいいものを撮ろうと僕の気持ちを高めてくれたし、そういう熱のこもったシーンだったと思います。ロケ全編を通して楽しい撮影ではありましたが、種差海岸での撮影は、楽しさと大変さの共存という特別なものを感じましたね。

自身の道標でもある、写真集タイトル「温度」

男同士の旅行をイメージしたロケで自然体を見せられる写真集にしたい、というリクエストをして、宿泊地や撮影場所を決めて撮影をしましたが、この旅を思い返すと、すごく自分自身と向き合った時間だったと思います。

それを踏まえて、役者として今後どうなりたいかを考えた時に、この写真集を一緒に作った人や八戸でお会いした方々の温かさを思い出して、いろんな温度感の人間を演じられる役者になりたいという気持ちが自分の中にあったんです。そんな自分の目標を“温度”というタイトルに込めました。それに、2月の青森なのに全然寒さを感じなかったのは自分の体温が上がっていたからだと思ったので、自分の温度も高かったというところにかけたダブルミーニングでもあります。

この「温度」というタイトルと関連するところで、旅館で撮影したアップの横顔のカットが僕の素に近い温度を感じられる1ページだと思ったので、お気に入りの1枚に選びました。朝の感覚もまだ鈍っているようなタイミングで、すごく肩の力が抜けた等身大の自分を切りとってもらったカットのように思います。それに、舞台に立っている時や人と話している時に目が印象的だと言われることが多いのですが、自分でまじまじと目を見ることなんてなかったから、そこをクローズアップした写真を撮ってもらえたこともうれしかったです。

八戸の魅力は人の温かさと食

八戸は外では雪が降っていて寒いけれど、室内に入れば人の温もりを感じられる、その温度差がいいなと思いました。それに、成人してからは初めての八戸だったので、お酒が飲めるようになったというのも大きくて、食べ物がとにかくおいしいなぁと思いました。八仙もいただきましたし、やっぱり酒とアテが最高でした。ホヤやサバに、八戸せんべい汁もおいしかったです。お酒といえば、たぬき小路が渋くて、自分が歳を重ねても楽しめそうだなと思ったので、また行ってみたいですね。

プライベートでまた八戸に行きたいという気持ちももちろんありますが、役者として作品に携わってまた青森に来ることができたら、それほど幸せなことはないと思っています。そんな機会に出合えるように日々頑張っていきたいと思いますので、これをきっかけに僕を知ってくださった方も応援していただけたらうれしいです!

写真=岡田健(撮り下ろし)、横山マサト(写真集)
ヘアメイク=田中宏昌
スタイリスト=石橋修一
衣装協力=ジャケット、Tシャツ、パンツ
※すべて、Ohal/JOYEUX(03-4361-4464)

小林亮太「1st写真集 温度」

©KADOKAWA/写真:横山マサト
人気漫画の主人公役など、数多くの舞台やドラマ・映画に出演し、最近ではグランドミュージカルにも活動の幅意を広げ、存在感を放っている俳優・小林亮太の1st写真集。

男友達との旅行のような飾らない素顔を見せる瞬間から、波が打ちつける岩場や雪が降り積もる大地、轟々と滝の音が響く渓流でのエモーショナルなショットまで、ここでしか見られない小林亮太の姿を収めた一冊。